隣のお姉さん、まさかあんな過去が…
俺が大学に入学して、このアパートに引っ越してきたのはつい最近のことだ。 初めて一人暮らしで、正直ホームシックになりかけてた。そんな時に救われたのが、隣の部屋に住むお姉さんだった。
名前は紗季さん。歳は俺より5つ上くらいかな。いつもニコニコしてて、ちょっとドジで、俺の部屋によくお裾分けの料理を持ってきてくれたりした。
会うたびに緊張してたけど、紗季さんの優しさに触れるうちに、いつの間にか憧れみたいな気持ちを抱いてた。
ある日の夕方、紗季さんの部屋から、なんだか変な声が聞こえてきたんだ。最初は気のせいかと思ったんだけど、どう聞いても喘ぎ声…?
しかも、やけに苦しそうな、それでいてどこか切羽詰まったような…。まさか紗季さんが、隣で…?
好奇心と、ほんの少しの嫌な予感が入り混じって、俺は思わずドアに耳を当ててしまった。
「…あ、ああ…! やだ…やめてっ…お兄ちゃん…!」
「ひっ…んっ…! だめぇ…そこ…!」
聞こえてきたのは、紗季さんの声だった。でも、いつもの優しい声とは全く違う、汗ばんだような、荒い息遣い。
そして何よりも、「お兄ちゃん」という言葉に、俺は固まってしまった。
紗季さんに、お兄ちゃんがいたなんて聞いたことなかったし、その「お兄ちゃん」が相手だなんて…。
しかも、その声は…なんだか尋常じゃない雰囲気だったんだ。紗季さんの「やめてっ、お兄ちゃん」っていう声は、まるで抵抗してるみたいにも聞こえるし、かと思えば「ひっ…んっ…! だめぇ…そこ…!」っていう声は、快感に喘いでるみたいにも聞こえる。
俺はもう、どうしていいかわからなかった。頭の中がぐちゃぐちゃになって、心臓がバクバク言ってた。
その数日後、偶然廊下で紗季さんと会ったんだけど、俺は何も言えなかった。紗季さんはいつも通りニコニコしてたけど、俺にはあの夜の声が頭から離れなくて、目を合わせるのも辛かった。
もしかして、紗季さんは無理やり…? でも、「だめぇ…そこ…!」っていう声を聞くと、そうじゃないような気もする。
一体、あの夜、紗季さんの部屋で何があったんだろう。そして、その「お兄ちゃん」って、誰なんだろう。
紗季さんのことを考えると、あの夜の声が再生されて、勝手に体が熱くなる。
綺麗で優しい紗季さんの、誰にも見せない、あの夜の顔。
知らなきゃ良かったのか、それとも知ってしまったからこそ、俺に何かできることがあるのか…。
ただの憧れだった紗季さんが、一瞬にして、手の届かない、深い秘密を抱えた女性になってしまった。
このアパートに引っ越してきて、俺の大学生活は始まったばかりだけど、もうすでに、何かわからない、重たいものを抱えてしまった気がする。
これからも紗季さんと顔を合わせるたびに、あの夜の声がフラッシュバックするんだろうか。
そして、いつかあの声の真実を知る時が来るんだろうか。
俺には、まだ何も分からない。
ただ、優しくて、ちょっとドジで、俺なんかにも気さくに話しかけてくれた紗季さんが、あんなにも苦しそうに、そしてどこかけだるそうに喘ぐ「お兄ちゃん」との秘密を抱えているということだけは、確かに知ってしまった。
あの夜の紗季さんの声が、今も耳の奥で響いている。
「…ぁ…ひゅっ…んぁ…! お兄ちゃん…もう…いっちゃう…!」
そして、その後に続く、低く、獣のような男の声。
俺は、この秘密を抱えたまま、紗季さんとどう接していけばいいんだろう。
考えても考えても、答えは出ない。
ただ、一つだけ確かなのは、俺の中で紗季さんの存在が、もう以前と同じではなくなってしまった、ということだ。
あの夜の、喘ぎ声と「お兄ちゃん」という言葉が、優しかった紗季さんのイメージを、汚く、そして淫らな色に塗り替えてしまった。
これからどうなるのか、俺には全く分からない。ただ、このアパートを出ていくまでは、この秘密を抱えたまま、紗季さんの隣にいるしかないんだ。
いつか、この秘密が解き明かされる日が来るのかもしれない。
その時、俺は…?
…何も考えたくないのに、あの夜の声が、頭から離れない。
「…んっ…ふ…お兄ちゃん…もっと…はやく…」
「…あぁ…だめぇ…そこはっ…」
背徳感と、好奇心と、ほんの少しの絶望感が、俺の心を支配している。
紗季さんの秘密を知ってしまった俺は、もう後戻りできないところに立っているのかもしれない。
ただ、一つだけ言えることがあるとすれば、もう紗季さんを見る目が、以前のそれとは全く違っているということだ。
優しくて、綺麗だった紗季さん。
その裏に隠された、深く、そして淫らな秘密。
俺は、この秘密を抱えたまま、どうすればいいのか。
誰かに相談するわけにもいかない、自分だけの秘密。
この体験談を掲示板に書き込んでいる今も、あの夜の声が、まるですぐ隣で聞こえているかのようだ。
「…ぁ…ぁ…! いやっ…お願い…お兄ちゃん…もうやめて…!」
そして、紗季さんの懇願にも似た声に、構うことなく続けられる、男の行為。
俺は、このまま、何事もなかったかのように紗季さんと接し続けるしかないんだろうか。
それとも、いつかこの秘密が、俺と紗季さんの関係を、全く違うものに変えてしまうんだろうか。
分からない…。何も…分からないんだ…。
ただ、あの夜の喘ぎ声が、俺の頭の中で、エンドレスで再生されている。
「…ふ…ふふ…やだっ……お兄ちゃん…」
そして、その後に聞こえる、紗季さんの、諦めたような、しかしどこか蕩けたような声。
このまま、俺はこの秘密を抱えて、どう生きていけばいいんだろう。
もう、紗季さんを以前のように見ることができない。
美しい隣のお姉さんの裏に潜む、どす黒く、そして淫らな秘密。
知ってしまった代償は、あまりにも大きいのかもしれない。
これから、どうなるんだろうか。
ただ、一つだけ確かなことは、俺の紗季さんに対する気持ちが、もう、以前の純粋な憧れだけではないという事だ。
興味と、好奇心と、そして、ほんの少しの、抑えきれない欲望。
あの夜の紗季さんの喘ぎ声が、俺の理性を、徐々に、そして確実に、溶かしていく…。
…ぁあ、もうだめだ…紗季さんのことが、頭から離れない…。
あの声が、あの秘密が、俺を狂わせる…。
そして、まるで自分自身の体から、あの夜の紗季さんのように熱があがってくるのを感じる。
俺は、どうすればいい…?
誰か…教えてくれ…
隣の部屋の、紗季さんの秘密…。
俺は、この先、紗季さんのあの声を聞くたびに、こんな風になるんだろうか。
もしかしたら、俺も…
いや、駄目だ。
そんなことを考えてはいけない。
でも、頭の片隅で、もう一人の自分が、囁いている気がする。
「…紗季さんの…あの声を…もっと近くで…」
俺は、もう、元には戻れない場所に立っているのかもしれない。
あの夜の、紗季さんの喘ぎ声が、俺の人生を変えてしまったのかもしれない。
これから、どうなるんだろうか。
不安と、期待と、そして、抑えられない欲望が、俺の中で渦巻いている。
ただ、一つだけ確かなのは、俺はもう、以前の俺ではない、ということだ。
あの夜の紗季さんの声が、俺の中の何かを、目覚めさせてしまったのかもしれないから。
…はぁ…紗季さん…
隣の部屋の、秘密を抱えたお姉さん…。
俺は、これから、どうなってしまうんだろうか。
…怖くて、…でも、少しだけ、ワクワクしている自分がいる。
あの夜の声に、囚われてしまった俺は、一体どこへ向かうんだろうか。
…誰か、教えてほしい…
この気持ちの名前を…。
そして、俺は…紗季さんと、どうなればいい…?
(終)